任意整理か自己破産か?債務整理の相談は泉総合法律事務所調布支店へ
債務整理とは、借金問題を解決するための手続のことをいいます。
このコラムでは、債務整理のうち、任意整理と自己破産(個人破産)のどちらにするべきかという方針の選択について解説いたします。
このコラムの目次
1.債務整理の種類
債務整理、つまり、借金問題を解決する方法には、大きく3種類あります。
任意整理、自己破産、個人再生の3つです。
なお、債務整理と任意整理を混同している人が結構いらっしゃいます。
債務整理という大きな枠の中に、任意整理、自己破産と個人再生の3つがある、というように、頭の中を整理しましょう。
2.任意整理とは
任意整理とは、弁護士が、債権者と話し合いをして、分割払いにしてもらうことをいいます。
債権者とは、人に「お金を払え。」と請求できる人のことです。例えば、あなたがお金を借りている銀行や消費者金融のことです。
任意整理の分割払いの回数は、60回、つまり5年間になることが多いです。
後でまた説明しますが、この5年間という期間は、思った以上に、長いです。
分割払いの和解をした後は、通常、利息は発生しません。
3.自己破産(個人破産)とは
自己破産とは、簡単に申し上げますと、借金をゼロにするための手続のことです。
お金を借りた理由がパチンコなどの人の場合、「破産できるのかな?」と心配になっている人もいます。
しかし、お金を借りた理由がパチンコなどの場合であっても、よほどのことがない限り、借金は、ゼロになりますので、心配しないでください。
ただし、高価な資産を持っている場合には、その資産が取り上げられるリスクがあります。
4.任意整理か自己破産か
(1) 正反対の手続
以上のように、任意整理は、分割払いになるだけで、借金の金額は変わりません。
逆に、自己破産は、借金の金額が0円になります。
このように、任意整理も、自己破産も、同じ、債務整理という借金問題を解決する手続ですが、借金の金額が変わらないか、あるいは、ゼロになるか、というように、まったく正反対の手続なのです。
(2) 方針選択の基準
ここから、任意整理をするべきか、あるいは、自己破産をするべきかという本題について説明します。
任意整理ができる人の場合には、自己破産はできないという関係にあります。
ですので、任意整理できるかをまず検討することになります。
具体的には、60回払いできる余裕があるかということになります。
(3) 弁済原資
60回払いできる余裕があるかを判断するためには、毎月、手元にいくらお金が残るのかを計算する必要があります。
この毎月手元に残るお金のことを弁済原資(べんさいげんし)といいます。
弁済原資を計算するにあたっては、家計を同じくする人全員の収入と支出を計算する必要があります。
債務整理の相談に来られる人は、この家計に関心がなく、毎月自分たちが何にいくら使っているのかわからない人もいらっしゃいます。
しかし、これでは、弁済原資を計算できません。
ですので、ざっくりでよいですので、家計表を作ることをおすすめします。
弁済原資を計算するときには、毎月、債権者に支払っている金額がなかったと仮定して計算します。
債権者にいくら払う余裕があるかを計算するのが弁済原資を出す計算なのですから、債権者に払う金額がなかったとして計算する必要があるのです。
(4) 総債務額
そして、あなたが任意整理をしたい債権者から借りているお金の総額を計算します。
これを総債務額といいます。
(5) 割り算
以上の総債務額を弁済原資で割ります。
その結果出てくる数字が60より多い場合には、60回払いの分割払いができる余裕はありません。
ですので、この場合には、任意整理はできません。
逆に、60より小さい場合には、60回払いの分割払いができる余裕がありますので、任意整理できる可能性があります。
(6) 結論
以上のように、総債務額を弁済原資で割って、60より多ければ、60回払いはできませんので、任意整理はできず、破産というのが、基本的な考え方です。
5.注意点
以上のような割り算をして、任意整理をぎりぎりできる、あるいは、生活費を切り詰めたり、深夜のバイトも始めたりして、収入を増やしたり、支出を抑えたりして、任意整理をやりたい、というご相談者が結構いらっしゃいます。
破産という言葉に必要以上に悪いイメージをお持ちのかたが、このように、破産を避けて、無理矢理、任意整理をしたいというご希望をお持ちのように思います。
しかし、任意整理は、60回、つまり、5年間という結構長い期間、分割払いすることになります。
5年間の間には、大抵、予期せぬ事情が起きます。
例えば、交通事故に遭って、けがをして働けなくなって、収入がなくなったり、身内に病気や老齢のために介護が必要な人が出てきたり、勤務先の業績悪化に伴う減収、こどもの出産、などなどです。
任意整理を始めて、例えば、2年後に、これらの予期せぬ事情が発生して、分割払いができなくなったから、破産に方針変更しますという人は、残念ながらいらっしゃいます。
この場合、2年間分割払いしたお金は、どぶにお金を捨てたに等しいです。
ですので、こういう人は、方針変更の相談に来られたときに、「初めから、無理せず、破産にしておけばよかった。」とか、「初めから破産にしておけば、2年分払ったお金は貯金できていたのに。」とかおっしゃいます。
以上のように、ギリギリ任意整理できるという人の場合には、この先5年間のこともよくよく考えて、方針を任意整理に決める必要があります。
6.まとめ
以上の説明は、基本的な考え方の説明にすぎません。
実際には、任意整理と自己破産のメリットとデメリットがお客様ごとに違いますので、方針選択も、それに応じて、個別に判断する必要があります。
泉総合法律事務所調布支店では、債務整理、特に、任意整理と自己破産の取扱件数が多数ございます。
借金問題は、もたもたしていると、利息がどんどん膨らみますし、強制執行されてからでは手遅れです。
手遅れになる前に、取扱件数の多い泉総合法律事務所の調布支店へ、どうぞご遠慮なくお問い合わせください。
泉総合法律事務所は、夜間や土日祝日の法律相談も行っております。
-
2020年9月15日債務整理 自己破産は「免責」で借金が0になり「復権」できる!
-
2020年4月10日債務整理 自己破産をすると解雇される?
-
2018年6月25日債務整理 過払い金返還請求とは|調布市周辺で弁護士相談