交通事故に強い弁護士に無料相談する際に把握・準備すべきもの
交通事故に遭った場合、弁護士に依頼をすることで、保険会社の対応や賠償金額などについてより納得できる解決につながる可能性があります。
しかし、本格的に弁護士に依頼するかどうかも迷っている、といった状況であれば、弁護士の無料相談を利用すると良いでしょう。
弁護士に無料相談する際には、30分~1時間程度といった限られた相談時間の中で、より多くの正確な情報を伝えなければなりません。
そのためには、その場で思いつくままを口頭で説明するのではなく、相談までに予め準備をしておくことが大切です。
今回は、交通事故弁護士へ無料相談をより得るものの多い有意義な相談にするために、相談者が準備するべきことについて解説します。
このコラムの目次
1.準備しておくべき書類(記録)
(1) 事故についての書類
まず、交通事故の状況を正確に伝えるためにも、事故に関する記録を揃えておきましょう。
交通事故証明書
「交通事故証明書」は、交通事故の日時や場所、当事者の連絡先などの客観的な事実関係を確認できる公の書類で、交通事故を証明する基本となります。
交通事故が起きた場合、警察に事故が起きたことを報告します。これは運転手の義務となります。
そのとき、警察に交通事故の届け出をしていれば、「交通事故証明書」が作成されます。
「交通事故証明書」は、最寄りの自動車安全センターで作成されているので、自宅近くの自動車安全センターで直接申請をするか、ホームページ上や郵送で申請をする方法で取得しておきましょう。なお、保険会社が既に入手している可能性もありますので、確認してみましょう。
実況見分調書
「実況見分調書」は、人身事故の際に、警察が事故現場を確認して作成する書類です。
「実況見分調書」には、交通事故の様々な情報が記載され、交通事故を示した図面や事故現場の写真なども添付されています。
交通事故の詳細を示し、過失割合などの証拠にもなる非常に重要な書類です。
なお、実況見分調書の取得方法は事故の段階により異なりますので、ご注意ください。
事故の捜査段階 | 実況見分調書の取得 | 請求先 | |
捜査中 | 原則非公開であるため、取得できない | ||
---|---|---|---|
捜査が終了し被疑者が不起訴 | 取得できる | 所轄検察庁 | |
被疑者が起訴 | 起訴後、裁判までの間 | 管轄の検察庁 | |
裁判中 | 公判中の裁判所 | ||
裁判の判決が確定した後 | 検察庁 |
(2) 治療についての書類
治療に関する記録は、怪我の内容を正確に伝えることができると共に、治療費等を算出する際に必要となる記録です。
医師の診断書
交通事故による怪我の治療を病院で行った場合、医師の診断書があれば、怪我の内容を正確に伝えることができます。
診療報酬明細書
診断書と合わせると、実際に治療した日数や入院した日数、そして毎月の症状や治療内容を確認できる書類です。
交通事故の治療費を加害者側の保険会社が負担しているときには、病院から保険会社に、「診療報酬明細書」が月に一度発行されています。その場合は、保険会社からコピーをもらいます。
保険会社が治療費を負担していないときは、健康保険を使っているのであれば健康保険組合に請求して開示してもらいます。
また、労災を適用しているときは、労働基準監督署に請求して開示してもらいます。なお、診療報酬明細は、請求の段階で必要となるものですので、必ずしも相談段階でなくても構いません。
(3) 収入を証明する書類
交通事故で負傷して、治療のために会社などを休まなくてはならなくなり収入が減少した場合には「休業損害」の請求をすることができます。
また、被害者が死亡した場合や後遺障害が残ってしまった場合にも、逸失利益(得るはずであったのに、交通事故によって失ってしまった収入などを補填するもの)を請求することができます。
こういった場合には、休業損害や逸失利益などを算出するために、被害者の収入を証明する記録が必要となります。
具体的には、サラリーマンや公務員であれば、勤務先から発行される「給与証明書」や「源泉徴収票」などを用意します。
また、自営業者等であれば、前年度の「確定申告書の写し」や「納税証明書」などが該当するので用意します。
(4) 保険会社に関する書類
まずは、自身が加入する保険会社から発行されている「保険証券」を用意します。
この保険証券によって、弁護士費用特約が付いているかどうかということも分かります。
また、交通事故が起きた場合、通常は、保険会社に対して事故の状況をご自身で詳細に記載した「事故発生状況報告書」を提出します。
この「事故発生状況報告書」は、事故の状況を説明するものとなるので、用意しておきましょう。
また、相手方の保険会社から「示談書」や「損害金計算書」などをもらっていれば、その金額について妥当なものであるかといった判断ができるので、用意しておきましょう。
(5) その他の書類・記録
後遺症が残り、後遺障害等級の認定を申請したケースであれば、「後遺障害診断書」や「後遺障害等級認定票」も重要です。これは、等級に満足して、任意保険会社との交渉だけご希望の場合には不要ですが、等級認定が妥当かどうかを判断する際には極めて重要な書類です。
「後遺障害診断書」は医師が作成したもので、後遺障害等級の申請の必要書類でもあります。
「後遺障害等級認定票」は、自賠責保険会社から送付されてくるものです。
加害者側の保険会社が被害者に代わって後遺障害等級の認定について申請をしたのであれば、加害者側の保険会社が持っている可能性もあるので問い合わせてみると良いでしょう。
また、治療費以外にも、通院のための交通費など、事故によって支出をしなければならなくなった費用も相手側に請求できる可能性があるので、まとめておくと良いでしょう。
2.依頼者自身が要点を説明できるように準備
今まで準備した方が良い書類を見てきましたが「たくさんあって、とてもじゃないけど用意できない」と思われたのではないでしょうか。
とはいえ、これらの書類がなければ相談に行けない!というわけではありません。
書類を準備しておけば、不明点や疑問が弁護士から出てきたときに、すぐに答えられるのです。
大切なことは、ご自身がいかに現状を把握して、要点を弁護士に伝えられるように準備できるかということです。
準備した方が良い書類を揃えていると、交通事故に関する現状や経緯が見えてきて、頭の中も整理されると思います。
上記の書類を見ながら、事故発生からこれまでの経緯を思い出し、時系列でメモなどにまとめると良いでしょう。
そして、メモなどを見ながら弁護士に伝えると、要点が上手く説明できるはずです。
3.交通事故の弁護士相談は泉総合法律事務所へ
「弁護士の無料相談を利用しようと思っているけれど、どんな準備をしたらいいか分からない」といった方の参考になりましたでしょうか。
交通事故について弁護士に無料相談をする際には、大きく分けると、①書類を準備すること、②依頼者自身も状況を把握して要点を説明できるように準備すること、が大切です。
書類に関しては多い方がより良いですが、まずは、ご自身がしっかりと状況や経緯を把握して、できる限り要点を弁護士に伝えるようにすると、収穫の多い相談時間になります。
泉総合法律事務所は、交通事故の初回相談を1時間無料でお受けしております。
交通事故案件に詳しい弁護士が、ご相談者様に寄り添ってお話を伺います。
弁護士に依頼するか迷っている、まずは悩みを話したいという交通事故被害者の方は、是非一度泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
相談の際にご用意いただきたい資料につきましても、ご予約時に丁寧に説明をさせていただきます。
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