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交通事故で怪我をしたらすぐに病院へ!その後の治療で注意すべきこと

交通事故で怪我をしたらすぐに病院へ!

交通事故の被害に遭って怪我をした場合、病院や整骨院などで治療を受けることになると思いますが、治療の受け方によっては、その後の損害賠償請求において損をしてしまうこともあり得ます。

ここでは、交通事故で怪我をした場合に、どのようなポイントを踏まえて治療を受けるのがよいのか詳しく説明します。

1.治療の期間、通院日数と入通院慰謝料金額の関係

交通事故の被害にあった場合に、相手方に請求できる損害賠償の項目には、様々ありますが、「入通院慰謝料」もそのひとつです。

入通院慰謝料」とは、入院や通院をしたことによる精神的苦痛に対する慰謝料のことです。

ですから、入通院慰謝料の金額は、基本的には、通院期間の長短によって、決定されます。

つまり、通勤期間が長ければ長い程、もらえる入通院慰謝料の金額は大きくなるのです。ただし、通院期間が長くても、その間の実際の通院日数が少ない場合には、問題が起きる場合があります。

慰謝料金額の算定の基準には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つがありますが、そのいずれにおいても、通院期間だけではなく、実通院日数も考慮にいれられることになっているからです。

例えば、弁護士基準を示している本である「赤い本」の中では、慰謝料算定のための通院期間は、通院が長期にわたる場合には、症状、治療内容、通院頻度をふまえて、実通院日数の3倍程度を目安とされることもある旨の記述があります。

つまり、例えば、通院期間が6カ月、実際の通院日数が50日の場合には、6カ月ではなく、150日の方が採用されることもあり得るということです。

ですから、交通事故で怪我をした場合の通院は、出来るだけ長い通院を心がけるということと共に、通院の頻度にも気を付ける必要があります。できれば、週に2~3回程度通院するとよいでしょう。

通院のために仕事を休んだ場合には、休業損害として、その分の減収分を相手方に請求することができる可能性も高いですので、できれば、仕事を少し休んででも通院した方がよいかもしれません。

なお、通院の期間や通院の頻度は、この後で説明する後遺障害等級認定においても大きく影響してきます。

2.治療の受け方、通院先などと後遺障害等級認定の関係

(1) 後遺障害等級認定とは

怪我の治療には、「症状固定」という概念があります。

これは、医学上一般に承認された治療をそのまま継続してもその効果が期待できない状態で、かつ、残っている症状が自然的経過によって到達すると認められる最終の状態に達した状態を意味します。

簡単にまとめると、治療を受けてもこれ以上よくならないような状態になることです。

そして、症状固定時残っている症状のことを後遺症といいます。

交通事故の怪我が原因で後遺症が残った場合には、相手方に対して慰謝料(その場合の慰謝料を「後遺障害慰謝料」といいます)を請求することが出来ます。ただし、後遺障害慰謝料を請求するためには、基本的には、自賠責保険の「後遺障害」として等級を認定(「後遺障害等級認定」)してもらう必要があります。

自賠責保険においては、後遺症の程度によって定められた「等級」ごとに慰謝料などの金額が決められることになっています。

等級認定では、自賠責損害調査事務所という機関が、中立的な立場で、その被害者の症状が賠償されるべき交通事故の後遺障害に当たるのか、どの程度の後遺障害に当たるのかを判断します。

(2) まず行くべきは病院

この後遺障害の等級認定は、後遺障害診断書や、レントゲン、MRI、CTなどの画像をもとに、審査が行われます。

後遺障害診断書を作成できるのは、医師だけですし、きちんとした検査も、整骨院などではなく病院でなければできません。

そして、MRIなどの検査は、まずは事故直後に受けておくことが重要です。そうでなければ、事故による症状であることを立証することが難しくなってしまうかもしれないからです。

また、投薬などの治療行為も医師でなければできません。

したがって、まずは、整骨院や接骨院ではなく、病院(整形外科)へ行くことが重要です。

(3) 事故直後すぐに治療を開始すること

交通事故に遭ってから、何日も経ってから初めて病院に行ったような場合には、本当にその交通事故によって怪我を負ったのか?と疑われてしまうことがあります。すなわち、「因果関係」を否定されてしまう可能性があるのです。

通常、怪我をして症状があるのであれば、すぐに病院に行くはずであると考えられているからです。

交通事故と怪我との因果関係を否定されてしまうと、後遺障害等級認定に影響するだけではなく、治療費や入通院慰謝料自体を受け取れなくなることもあります。

ですから、交通事故に遭って怪我をしたら、できるだけすぐに病院へ行って、診察を受け、必要な検査も受けるようにしてください。

(4) 6か月以上の継続的な通院が必要

後遺障害等級認定を受けるためには、通常、6カ月以上の通院期間が必要であると言われています。
忙しいなどを理由に、通院を怠ってしまうと、取り返しのつかないことになるケースもありますので、できる限り継続的、定期的に治療を続けなければなりません。

(5) きちんとした検査を受けることが重要

適正な後遺障害等級認定を受けるためには、しっかりとした検査結果があることが極めて重要です。事故直後や、症状固定の前など、適切な時期に、症状に合った適切な検査を受ける必要があります。

検査に不足があれば、適正な後遺障害等級認定を受けられないことも十分にあり得ます。

必要な検査が何かわからない、医師にどのようにお願いすればよいのかわからないなどの場合には、弁護士に相談してアドバイスを受けましょう。

(6) 適切な後遺障害診断書を作成してもらう

先ほど説明したように、後遺障害等級認定の申請には、医師が作成した後遺障害診断書が必要です。その内容によって認定の有無が左右されることもありますので、後遺障害診断書は極めて大事な書類です。

しかし、医師は、後遺障害等級認定の専門家というわけではありませんから、認定を受けやすいように考えて診断書を作成してくれるわけではないことが多いです。

ですから、被害者が自ら、適切な内容の診断書を作成してもらえるように医師に働きかける必要があります。

個人で医師と交渉するのは容易ではないことが多いので、その場合には、弁護士に依頼して代わりに話をしてもらうのも効果的です。

3.整骨院、接骨院に通う場合の注意点

整骨院や接骨院は、整形外科に比べて通院しやすかったり、痛みの緩和に役立ったりといったこともあり、整形外科だけではなく整骨院や接骨院にも通院したいという人はとても多いです。

ただし、整骨院や接骨院の施術費用は、相手方に無条件で請求できるわけではありませんので、この点には注意が必要です。

整骨院や接骨院での治療については、相手方(保険会社)から、その必要性・相当性が争われることがあるのです。

この点については、一般的に、整骨院や接骨院での施術について施術費用の賠償が認められるためには、

  • 医師が必要と判断し、医師の指示に基づいて通院していた
  • 医師の指示はなくても、
    ①施術の必要性
    ②施術内容の合理性(怪我の状態に対して施術の内容が過剰であったりしないこと)
    ③施術費の相当性(施術費用の額が社会一般の基準と比較して妥当であること)
    ④施術の有効性(整骨院での治療が症状の緩和に役立っていること) があったか

などを考慮して、施術費用の賠償が認められることがあるとされています。

なお、施術費用の賠償が認められない場合でも、慰謝料の金額の中で考慮されて上乗せされるケースもあり得ます。

いずれにしても、相手方が施術費用を支払わないと言ってきた場合には、きちんとした主張・立証が必要になってきます。そのためには、法的な知識が必要ですので、弁護士に依頼して交渉、あるいは裁判を行ってもらうのがよいと思います。

4.相手方保険会社から治療費を打ち切られた場合の対処法

(1) 治療費の打ち切りとは

交通事故で怪我を負って通院をしている場合には、相手方の任意保険会社が、その治療費を直接医療機関に対して支払うという対応(「一括対応」「一括払」などと呼ばれています。)を行うことが多いです。

しかし、保険会社は、ある程度の期間が経過すると、治療費の支払いを打ち切る(一括払をやめる)と言ってくることがあります。

例えば、むち打ち症の場合には、3カ月程度で治療費の打ち切りを宣告されることも多いと言われています。

このようなときに、保険会社に言われるままに治療をやめてしまうと、必要な治療を受けることができなくなり、症状が良くならずに悪化するなどの問題が発生する場合があります。

また、先ほど説明した通院期間によって決まる入通院慰謝料の金額も下がってしまいますし、後遺障害等級認定を受けるのも難しくなります。

治療費、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料全てについて、必要な期間通院していれば得られたはずのものが得られなく可能性が出てくるのです。

(2) 対処方法

いうまでもなく、症状固定となるのがいつかを判断するのは保険会社ではなく、医師です。

ですから、本当に必要な治療であれば、保険会社がどのように言っているかに関わらず、治療をやめる必要はありません

まずは、医師がどのように判断しているのかが大事です。医師がまだ治療を継続する必要があると言っているのであれば、保険会社による治療費の支払いが停止されたために一旦立て替えて支払ったとしても、後から相手方(保険会社)に請求することができることがほとんどです。

したがって、医師が治療の必要性を認めている限りは、とりあえず自分で治療費を立て替えてでも、治療を継続しなければなりません。

なお、その場合には、この次に説明するように、健康保険を利用しましょう。

(3) 健康保険を利用する

交通事故による怪我の治療には、健康保険を使えないのでしょうか?

そのような疑問を持たれている人は多いようです。

しかし、交通事故で怪我にあった場合の治療にも、健康保険を問題なく利用することができます。

厚生労働省も、健康保険を使用できるとの見解を表明しています。

病院によっては、「交通事故なので健康保険は使えません。」などと言われるケースもあるようですが、その対応は誤りです。

健康保険を利用せず、全額自己負担で治療費を立て替えると、かなりの高額になってしまいますので、治療費が打ち切られて自分で立て替えることになったような場合には、健康保険を利用して通院するようにすることをおすすめしています。

なお、交通事故による怪我の治療に健康保険を使うためには、被害者が加入している健康保険組合、または管轄の協会けんぽ(国民健康保険の場合は、お住まいの役所の国民健康保険を担当する部署)に対する届出(「第三者行為による傷病届」といいます。)が必要となります。

5.結局、適切な治療の受け方とは?

これまでの話をまとめますと、結局、交通事故の怪我で通院する場合に気を付ける点は、次のような点です。

  • 交通事故後できるだけ早く治療を開始する
  • まずは病院(整形外科)で診察を受ける
  • 適切なタイミングで適切な検査を受ける
  • 必要性がある限りできるだけ長く通院する
  • できるだけ頻繁に、定期的に通院する
  • 整骨院や接骨院だけではなく病院(整形外科)にも必ず通院する

以上のようなポイントが守れるかどうかで、受け取れる損害賠償金額が大きく変わってくることがありますので、ぜひ覚えておいてください。

6.交通事故の損害賠償請求は泉総合法律事務所へ

このように、交通事故の怪我の治療には、損害賠償請求において損をしないために気を付けるべきポイントがたくさんあります。

弁護士は、相手方への損害賠償請求だけではなく、治療の受け方などについてもアドバイスをしてくれます。

個々のケースによっても違ってきますので、交通事故の被害に遭って怪我をした場合には、早めに弁護士に相談することをおすすめします

調布市、三鷹市、府中市、稲城市、狛江市、川崎市多摩区、京王線沿線にお住まい、お勤めの方で、交通事故の被害者になってしまった方は、泉総合法律事務所調布支店にご相談ください。

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