交通事故

ドライブレコーダーって本当に便利?メリット、デメリットと証拠能力

ドライブレコーダーって本当に便利?メリット、デメリットと証拠能力

最近、テレビなどで、ドライブレコーダーの事故映像が流れているところをご覧になる方も多いと思います。

実際の交通事故の示談交渉や裁判では、ドライブレコーダーの映像は証拠として採用されるのでしょうか?

今回は、ドライブレコーダーを搭載している車で事故に遭った場合の映像の証拠能力その活用の仕方について解説します。

1.ドライブレコーダーについて

ドライブレコーダーは運転状況が記録できる!

ドライブレコーダーとは、車載型画像記録装置のことで、自動車に搭載して走行中の状況をカメラで映像に記録できるものです。

走行記録の録画のほか、速度やGPSデータを記録するなどの多彩な機能を搭載するものもあります。

一般的なドライブレコーダーは、常時録画タイプと、事故の衝突や急ブレーキなどで車に衝撃が加わったときに自動的に映像を記録するイベント記録タイプの2種類です。

いずれのタイプであっても、最低限、運転時の前方向が録画記録されるものが望ましいでしょう。

(1) ドライブレコーダーのメリット

近時、ドライブレコーダーは急激に普及していますが、その背景には、交通事故の原因究明に役立つことが挙げられます。

全国各地で毎日約1,300件の交通事故が発生しています(平成29年度警察庁発表の交通事故発生件数は472,165件)が、これまで、事故の実態を解明するもののほとんどは当事者の話と目撃証言だけでした。

ドライブレコーダーの普及により交通事故の状況が自動的に録画されることで、当事者や目撃者の証言の裏付けとなることも少なくありません。

①事故当時の映像を記録しているため、事後処理がスムーズに行われる

ドライブレコーダーには、事故を起こした時の映像がそのまま記録されているので、当事者双方の主張の食い違いを即座に解明できます。

また、記録したデータを保険会社や警察に提出することで資料として採用される場合があります。

特に最近は、任意保険会社がドライブレコーダー設置ユーザーを優遇するという動きに出ているようです。

②当たり屋を判別する効果

ドライブレコーダーは、当たり屋と呼ばれる詐欺への判別にも役立ちます。

故意にぶつかり交通事故を装った行為かどうかを、録画した記録から明確に判断するのです。

③車上荒らし等の防犯効果がある

常時録画などでは、車が犯罪の対象となった時の状況が記録されます。

車上荒らし等の場合、犯人逮捕の端緒となるような状況や犯人の顔が録画されることがありますから、有効に活用すべきでしょう。

④安全意識の向上に貢献する

自己の運転記録を確認することにより、事故になりそうな状況を予測したり、安全運転の参考にしたりすることができます。

警察庁でもドライブレコーダーの映像をもとにした指導を推奨しており、実際の運転状況を認識することは、ドライバーにとって安全運転を意識するために役立ちます。

(2) ドライブレコーダーのデメリットもある

ドライブレコーダーのメリットはドライバーにとって大きく有意義なものであるがゆえに、普及が進んでいるということは理解できたと思います。

しかし、ドライブレコーダーも万能ではありません

①必要な記録が映っていない場合もある

交通事故の状況を明らかにするメリットはあっても、知りたい情報が録画されていなければその意味を成しません。

交通事故の原因究明に役立てることを最優先にドライブレコーダーの機種を選択することが重要でしょう。

また、日本自動車研究所(茨城県つくば市)は、ドライブレコーダーで発光ダイオード(LED)式信号機を撮影したとき、撮影のタイミングによっては信号の光が映らない場合があるという調査結果を発表しています。

このような不完全さがあることを踏まえ、ドライブレコーダーのメリットを考えるようにすべきでしょう。

②自分に不利な内容が録画されている場合がある

ドライブレコーダーには記録された当時のことが事実のまますべて録画されるわけですから、その内容によっては自分に都合の悪いこともあるでしょう。

つまり、交通事故の証拠という観点からは、自分に不利な映像も録画されているということです。

ただ、ドライブレコーダーの映像は提出義務があるわけではありませんし、必要な箇所を切り取って任意に提出することが可能ですから、記録された内容を精査して提出することを考えましょう。

③証拠として採用されない場合がある

ドライブレコーダーの映像が証拠として不採用になることもあります。改ざんを疑われ相手方が証拠能力を否定してくるケースがあるからです。

また、夜間の暗い場所では映像が不鮮明だったりすると、採用不可と判断されるのです。

<ドライブレコーダーのメリットとデメリット>
メリット
  • 事故後の処理がスムーズに行われる
  • 当たり屋を判別する
  • 当たり屋を判別する
  • 安全意識の向上に貢献する
デメリット
  • 必要な記録が映っていない場合もある
  • 自分に不利な内容が録画されている場合がある
  • 証拠として採用されない場合がある

このように、ドライブレコーダーは実際の事故の状況を記録するという点でとても有効ですが、デメリットもあります。

証拠として活用するうえでは、弁護士などの専門家に相談して助言を仰ぎましょう。

2.ドライブレコーダーの証拠能力とは

ドライブレコーダーの証拠能力については賛否両論がある!

ドライブレコーダーにはメリットとデメリットがあることは理解できたと思いますが、そもそも、証拠能力とは裁判に出せる資格があるかどうかということです。

ドライブレコーダーの映像の証拠能力については様々な見解があります。記録されるものが改ざんの危険性を含むデジタル映像であるため、参考資料でしかないとする意見もあります。

しかし、他の証拠を補強したり、事故態様を立証したりするために、交通事故の当事者にとって非常に重要な客観性のある証拠として肯定する見解もあるのです。

(1) 他の証拠との関連性が重要

ドライブレコーダーの映像が有力な証拠として機能するには、他の証拠との兼ね合いが重要となります。

事故直後の実況見分などでは、けがによる治療のために当事者が立ち会えずに後の聞き取りだけで調書が作成されてしまうこともあります。

あとから間違いの訂正を求めても受け入れてもらえないようなケースでは、ドライブレコーダーの映像を元に事実を立証していくことが可能となります。

他の証拠との整合性が明らかとなれば、より証拠としての能力が高く評価されることになるはずです。

(2) 示談交渉で優位になる証拠となる

ドライブレコーダーに記録された事故の映像は、直接的かつ客観的証拠ですから、事故当時者が事故発生時の状況や運転者の態様について改めて確認する機会を与えてくれます。

示談交渉のなかで互いの言い分に食い違いが生じた場合など、ドライブレコーダーの記録を見れば事実は一目瞭然です。

また、争う点が早期に解決されることで示談成立までの時短となり、事故当時者の負担軽減にもつながります。

(3) 裁判で証拠として提出できる

交通事故の裁判ではドライブレコーダーによる記録が客観性の高い証拠として有効に取り扱われることがあります。

原則、証拠として採用するか否かは裁判官の判断に委ねられますが、当事者が自己に優位な証拠として提出することができ、デジタル画像であっても証拠として採用される可能性はあります。

ただし、裁判所がドライブレコーダーの映像を他の証拠よりも優先させるということではありません。

裁判所は、事故の一部始終が映っていれば、信用性のある証拠として扱うということです。

交通事故の当事者になると、できるだけ罪や責任を軽くしたいと考え虚偽の証言をすることがあります。

信号は赤だったのに青だったと言い張ってみたり、一時停止をしていないのにしたと供述したりと、相手方が事実と異なる主張をするような場合には、ドライブレコーダーによる事故の記録によって真偽を証明することが可能となるケースもあるのです。

ドライブレコーダーの映像を証拠として有効なものとするには、専門的知識が必要となることもあります。相談に乗ってくれる弁護士にアドバイスを受けるなどしましょう。

3.ドライブレコーダーが有効になる状況とは

(1) 過失割合を適正なものにする

交通事故の実況見分や当事者の供述、目撃者の証言などによって、事故の原因に対する責任がどちらにどれくらいあるかを決めるのが過失割合という考え方です。

事故の当事者は、この過失割合に応じた賠償責任を負うことになるため、その決定を根拠づける客観的証拠の存在は大きいと言えます。

両者の言い分が確定しない場合や、当事者の片方が実況見分や示談交渉に参加できない場合など、ドライブレコーダーの映像が主張を裏づける証拠として役に立つことがあります。

(2) 当事者死亡の場合の有効な証拠となる

死亡交通事故の場合、当事者からの聞き取りが不可能となり、最悪、事故当時者に生存者がいないという事態も起こりえます。

また、被害者だけが亡くなってしまった場合などは、加害者の言い分だけが通ってしまうことを避けるためにも、ドライブレコーダーによる事故状況の記録を有効な証拠として提出することは重要です。

(3) 加害者を見つけ出す手がかりとなる

ひき逃げや当て逃げなどの悪質なケースでは、加害者が逃走し特定できないこともしばしばです。

目撃情報での犯人探しには限界がありますが、ドライブレコーダーに相手の車やナンバープレート、運転者の顔などが記録されていれば、警察の捜査重要な証拠となります。

実際に交通事故の加害者が不明となった場合には、弁護士や警察などの専門家に相談して、ドライブレコーダーの映像を有効に活用しましょう。

4.交通事故の不安は弁護士相談で解決

ドライブレコーダーに記録された映像が証拠となって交通事故のトラブルが解決したり、過失割合が適正になり損害賠償額が変わったりする可能性もあります。

交通事故の対策の一つとして、ドライブレコーダーの搭載を考えてみるのもいいかもしれません。

示談交渉や裁判でドライブレコーダーの証拠能力を有効にしたいとお考えならば、一度、交通事故に詳しい弁護士に相談してみてください。

泉総合法律事務所では、問題の解決に向けてよりよい解決の方法を見つけるお手伝いをさせていただきます。是非、泉総合法律事務所調布支店の無料相談をご利用ください。

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